地盤研究財団
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第33集
No.33
(2020.4 〜 2021.3)

コロナ

 コロナは王冠を意味するが、2019年12月30日、中国湖北省武漢市の医師李文亮氏が大学の同級生らのチャットで[カナン海鮮市場で7人のSARS感染者が確認された]と発信し、その後、患者の検査結果などを送った。武漢市公安局によって2020年1月3日に「インターネット上で虚偽の内容を掲載した」として訓戒処分を下された。
ウイルスの形状が、王冠のような形状となっていることから命名されているが、地獄の王の王冠となった。コロナが発生した中国政府も地獄の政府となっていることが克明となっている。
全体主義(政府に反対する政党の存在を認めず、また個人が政府に異を唱えることを禁ずる思想)国家である中国においては、人命に関する医療においても、この全体主義を貫いていることがわかるが、我が財団の専門領域である”地盤、地質、地震”などの分野においてはどのような状況となるのであろうか?

 現状においては、地学系専門領域における中国政府の干渉は明確ではないが、いずれ、出てくる可能性がある。

 大阪域の地震防災のために、地震被害の予測を行ったのは、1970年のころである。カリフォルニア大学バークレー校での2年間の留学を終えて、帰国したあと、京都大学防災研究所の柴田徹教授からの誘いで、地盤工学会関西支部で「地盤の動的性質のセミナー」で地盤の非線形の応答解析"Shake"について講演を行った。聴講にきていた大阪市防災課からの要請で、大阪地盤の地震応答に基づいて計画を進めたいということであった。
すでに上町断層は認識されていたから、上町断層による被害予測を提案したところ、”もしこの断層地震が起こればどの程度死者がでるか?”という質問に、”それを検討するのが、目標の一つでしょうが、まあ、数百人から数千人になるかも”、と答えると、”市議会からは、死者数に相当する棺桶を用意せよと言われるからという理由で"No”となった。結局、コロナを否定した中国政府と同様な大阪市の対応であったが、検討対象の地震は、大阪市から約15km離れている生駒断層を震源と設定して、被害想定を実施し、防災対策を検討した。

 20年後の1995年に神戸地震が発生し、上町断層問題が浮上した。大阪市からの要請に基づき、活断層調査を実施したが、そのうちの反射法探査は2測線実施した。上町断層に直交する天王寺南部東西測線となにわ筋南北線である。なにわ筋線では、上町断層の分岐断層である桜川撓曲が確認され、天王寺南部東西測線においては、なんと、上町断層は予想されている直線上にみられず不連続となっていることが判明した。

 まだまだ、大阪域の断層問題は山積み状態にある。地形、地質、地盤情報、ならに地震動を連携させた地域防災研究を進めていく、財団の果たすべき役割は大きい。

 さて、本論文報告集は令和2年度(2020年4月−2021年3月)における他機関との共同研究を含め当財団の所員が公表した研究成果をまとめたものであり、関係各位に感謝申し上げ、序文とする。

令和3年6月

 代表理事   岩崎 好規
財団法人 地域 地盤 環境 研究所
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