地盤研究財団
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第31集
No.31
(2018.4 〜 2019.3)

地域総合地盤学の確立とその利用を目指して
- 大阪の伏在断層の事例研究を基礎として

 平成から令和になる前に、敬愛する足立紀尚先生が逝去されました。その1週間前の2月5日に事務所に来られ、「叙勲祝いの後始末で、再度入院加療となった。」ということでしたが、 10日の朝、逝去されたという知らせが届きました。4月21日にホテルグランヴィア京都で偲ぶ会を開催しましたところ、 500人を超える方々のご参加となりました。足立先生の想いを後世に伝えるべく努力したいと思います。

 大阪平野は、地表面標高の変化は数十メートルにすぎませんが、基盤岩の深度は西大阪では1500m,上町台地では600mと違いがあり、これは上町断層による300万年にわたる逆断層運動の結果です。従来の上町断層に加えて、西大阪には桜川撓曲、住之江撓曲の活断層が伏在断層として存在していることが稠密ボーリングデータで判明しました。これらの断層は、地域防災計画の中には、取り入れられていませんが、これらの断層が動くと、強震動の発生とともに、断層域に約数メートルに及ぶ変位が予想されています。 このような断層変位が発生すると、環状線、地下鉄、高速道路などの交通系、共同溝に代表されるエネルギーや通信系のライフラインに大きな影響がありますが、令和元年の現在、その影響すら予測されてもいませんし、そのような調査も開始されていません。

当財団は、昨年度に、活断層シンポジュウムを開催し、大阪における活断層の現況の知識を、皆様にお伝えしたところですが、今後、さらに、収集されたボーリングデータの解析を進め、予想外ということがないように、研究を進め、市民生活を安心、安全なものとするための総合地盤学の確立をめざします。

 さて、本論文報告集は平成30年度(2018年4月ー2019年3月)における他機関との共同研究を含め当財団の所員が公表した研究成果をまとめたものであり、関係各位に感謝申し上げ、序文とします。

 

令和元年6月

 代表理事   岩崎 好規
財団法人 地域 地盤 環境 研究所
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